日経産業新聞 昭和59年(1984年)11月14日(水曜日)

中小・ベンチャー企業
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トータル・サービス「総合クリーニング会社」めざす

室内・屋外装飾のクリーニングサービスやネズミ駆除、カビ防止工事、室内外改装工事など建物の内外装関連事業を手広く手掛ける。山口恭一社長をはじめ社員のほとんどが20歳代ということもあって、若さとバイタリティーにあふれている。
山口恭一社長は昭和49年仙台一高を卒業後、父親を見ならって東大を受験。しかし2回連続して不合格となり「かなりネクラな人間になってしまった」(山口恭一社長)。しかし「いつまでも東大に固執していてはだめ」(同)と思い切り、近くの旅行・レジャー会社に入社して営業マンとして働く。この時将来日本では室内・屋外クリーニング業が大きな事業になると確信し、55年に上京して都内で室内・屋外クリーニング店「山口商会」を創業。その後害虫駆除やカビ防止工事などの周辺事業も手がけて営業内容を拡大してきた。
同社の事業展開で目を引くのはロイヤリティー(経営指導料)をほとんどとらないユニークなFC(フランチャイズ)方式を採用、本社自身の人・モノ・カネの不足を補っている点だ。FC展開による営業の問題点は加盟店によって技術や営業マンの質に差があることだが、同社では顧客リストを本社で管理し「クリーニング後の感想を必ず本社が確認する」というシステムをとることでこの問題を解決している。
気候や建築様式など風土的な問題に加えて「家を丸洗いする」という感覚が日本人にはなじまないせいか、日本でのハウスクリーニングの市場はまだ小さい。しかし欧米文化の浸透で欧米並みに、「ハウスクリーニングが当たり前」という時代が日本にも来ると、山口恭一社長は強調する。室内・屋外を問わずハウスクリーニングを軸にした「総合クリーニング会社」が若い山口恭一社長の最終目標だ。

本社東京都新宿区、社長山口恭一氏(29)=写真、資本金800万円、59年度売上高3億5000万円(56年度3500万円、62年度目標10億円)、売上高に占める研究開発費比率5%、従業員17人(平均年齢27歳)。主要取引銀行 三井銀行丸の内支店、協和銀行西新宿支店、大同信用金庫西新宿支店。電話03・348・6201