経営者会報 1995/APRIL No.471 日本実業出版社

異色企業トータルサービス
ビル外装保全でトップに金属壁再生に米技術導入

米国企業を研究し尽くし、日本で建築物の清掃・保全事業を確立。
新事業の金属パネル保全事業で一層の飛躍を図る。
2004年の株式公開目指し、企業の体質改善を進める。

超高層ビルが受注のターゲット

「少なく見積もっても、潜在的なニーズは3000億円以上ある」。トータルサービスの山口恭一社長は熱っぽく語る。同社は昨年10月、建物の金属外壁の保全を手掛ける「メタルメンテナンス事業」を始めた。「日本には類似のサービスがないだけに、またとない飛躍のチャンスだ」(山口恭一社長)。
メタルメンテナンスは建物の外壁や内装に使用されている金属パネルを再生し、建築当初の素材の良さを長く保つ事業。日本ではなじみが薄いが、米国では普及しており、市場規模は2000億円に達する。
日本でも外装に金属パネルを使った建築物が増えている。金属パネルは20年以上、独特の風合いを保つと考えられ、東京・新宿の超高層ビルをはじめ、新しいビルへの使用が急速に増えた。しかし現実には、酸性雨や排ガスなどの影響で予想以上に劣化が早い。すでに、塗装やパネルの交換を余儀なくされているビルも増えている。
「日本でもメタルメンテナンス事業が普及する」——。山口恭一社長が目をつけたのが、先行する米国の技術。米国でビルメンテナンスに60年以上の歴史を持つスチュアート・ディーン社と技術提携し、損傷を受けたビル外壁の金属パネルの表面塗装を再生、劣化を防止する事業に乗り出した。
現在、建築後15〜20年のビルを中心にマーケティング活動を開始している。新宿副都心などの超高層ビルを受注できれば、1件あたり2〜3億円の成約額となる。
再生作業後も、数年間にわたり継続して洗浄作業などを引き受けるため、「経営の安定度が高まる」と菅谷弘道専務は話す。すでに、設計事務所や大手不動産会社などを対象にテスト工事を提案しており「96年2月期には2億円以上、売上高に寄与すると期待している」(菅谷専務)。

形状問わず、80種の薬剤で洗浄

山口恭一社長がトータルサービスの前身である、建物や設備の出張クリーニング業「山口商会」を興したのは80年1月。82年5月に法人組織に改組、フランチャイズ制を導入して事業規模を拡大した。ハウスクリーニングや木造建築物の清掃などで着実に業績を伸ばし、90年2月期には売上高が4億7600万円に達した。
一方で、米国のスパークル・インターナショナル社(89年)、アメリカンビルディングレストレーション・ケミカルズ社(90年)などと提携。積極的に技術導入を進めた。その結果、売上髙は90年代に入り飛躍的に伸び、92年2月期には10億円に達している。
その後2期続けて減収だったものの、95年2月期は売上高11億円と過去最高を見込む。経常利益も約3000万円を予定している。フランチャイズ店を含めたグループ全体の売上高は今期50億円に達する見通しだ。

米国企業の技術導入で、他社との違いを打ち出す

NIKKEI BUSINESS
1995年2月27日号