日本工業新聞 平成6年(1994年)10月5日 水曜日

トータルサービス金属再生処理事業に進出
米社と提携2000年に売上げ35億円目指す

ビルなど外装クリーニング大手のトータルサービス(社長・山口恭一氏、東京都新宿区、電話03・3363・1155)は、内外装の金属表面の再生処理技術の「メタル・メンテナンス」=写真=で米社と提携、同社から技術導入して、5日から全国で事業展開に乗り出す。従来のように洗浄や磨きだけでなくさびなどの酸化腐食や傷、へこみなどまで修復し、5年間、品質保証するコーティングを施すのが特徴。今後、ビルなどメンテナンス需要の増大する見込みで、将来的には市場規模が1500から3000億円あり、同社では初年度3億円、2000年には35億円の売上げを目指す。
同社では従来から外装クリーニングをFC(フランチャイズ)制で行っており60店のネットワークがあり、今回の金属再生処理もそのFCを使って展開する。建材用金属メーカー、ゼネコン(総合建設会社)、設計事務所、不動産会社、ビル管理会社などから間接受注を、官庁やオフィスビル、ホテルから直接受注をそれぞれ目指す。
価格は外装向けがコーティング塗装、1年間保証で1平方メートルあたり7500円。定期メンテナンスを加え5年間保証で同1万1500円から1万3500円。内装向けは、仕上げ方法や素材などに差があるため設計価格が異なる。
今回の金属再生処理技術は、米国からの4件目の技術導入。米国の業界最大手スチュアート・ディーン社(社長・ジョン・F・ガジューロー氏、ニューヨーク市)と昨年、業務提携し、約1年かけて技術導入し、事業化にこぎつけた。
同社はこれまで、外壁クリーニングとコーティング塗装を行う「スパークル・ウォッシュ」など3件のクリーニング技術をそれぞれ別の米企業から導入してきた。
国内ではビル外装にアルミ・カーテンウォールを、内装のエレベーター、自動ドアなど金属部分が多く用いられるようになっている。
従来はクリーニングや塗装といったメンテナンスが主流だった。

日経アーキテクチュア
NIKKEI ARCHITECTURE 1994年11月7日号

対策2 金属の再コート
パネルを取り外さずに再コート

アルミなどの金属製外装材はどれだけ塗膜や酸化被膜で保護しても、表面の劣化は免れない。米国では外装のパネルを取り外さずに再びコーティングする技術がある。劣化した塗膜と酸化被膜を洗浄とサンダーがけで取り去り、新たにコーティング剤を塗布する方法だ。鏡面仕上やヘアライン仕上の再生もできるという。
今秋、この技術をトータルサービスが「メタル・メンテナンス」として日本に導入した。技術は米国スチュアート・ディーン社と業務提携を結び導入。コーティング剤はトータルサービスが新たに委託開発したシリコン系のものだ。
設計価格は1平方メートル当たり7500円。年に1度のクリーニングを含めて5年間保証で1万1500円のコースなどもある。
国内ので実施例はまだない。89年より外壁洗浄を行ってきた同社でも、外壁再生のニーズを耳にすることはなかった。トータルサービス代表の山口恭一氏は「日本のビルオーナーには外壁を再生して建物を長く使う意識はまだない。ただ、米国でニーズがある以上、わが国でないはずがない」と強気だ。現在は市場開拓を目指して、西新宿の超高層建築のオーナーなどに働き掛けている。

サンデー毎日
1994年11月6日号

サンデーExcellence

看板、生コンといった比較的近い業種が4割です。成功する人というのは、創業当時を思い出し、起業家精神と熱意を持ってやる人ですね。フランチャイジーというのは、成功を買うのではなくスタートを買うだけです。すべてを自分で一からやるよりは事業が始めやすいんですが、人を集め客を集めるのはあくまで自分です。ですから、買う力があっても続ける力がなければ成功しません。

メタルメンテナンスの導入で市場は一挙に倍増

塩田 迎賓館や東京ドームなど有名な建物の実績もたくさんありますが、市場の可能性はどうなんですか。
山口恭一 私どものビジネスの対象は約50%がビル、残り50%は、高速道路や橋等の諸施設です。現在、オフィスビル、学校、百貨店、スーパーの総床面積は約7億5000万平米といわれていますが、この約5分の2が外壁の面積と見込まれます。1500〜7500円のメニューの中で1回平均単価を平米3000円とすると、ビルだけで9000億円の市場があるわけです。4年に1度の工事を行うとすれば、私どもがエリアの単位と考えている。50万人の規模で9億円の市場です。そして、この他にビル以外の施設が入っているわけでこれが全て潜在需要であるわけです。
塩田 新しい展開も考えているように聞きましたが。
山口恭一 事業が着実に発展していくためには、常に新しい独自のサービスやシステムを開拓していくことが必要です。私どもは、この10月から新たに「メタルメンテナンス」の業務を開始します。銅やステンレス、アルミといった金属の酸化、劣化を防ぐ保全サービスですが、これを導入することで私どもの特殊メンテナンス・ビジネスの市場はさらに拡大します。というのは、日本でも新宿住友ビルのように外壁が金属でできたビルが増えてきたからです。この前オープンしたばかりの関西新空港の屋根もステンレスです。ステンレスやアルミはこれまでさびないといわれてきましたが、表面のコーティングが劣化すると、そこから酸化して穴があいたりするのです。
塩田 この不況のなかで順調に成長してきたというのはすごいですね。
山口恭一 このビジネスがバブルの影響を受けず、むしろ伸びてきたというのは、実際に困っているお客様が多いからです。洗ってもきれいにならない、すぐに汚れてしまうというビルオーナーや管理者のニーズがたくさんあります。また、海沿いのビルやマンションでは、ステンレスやアルミのさび、劣化で困っているところがたくさんあります。それと、この仕事の魅力は一度お得意になっていただくと、リピーターになっていただけるということです。ビルや施設がある限り、私たちのビジネスチャンスは広がり、継続が力となっていくのも、このビジネスの魅力です。
塩田 現代社会の死角となっているたいへんなビッグ・ビジネスを発掘されましたね。山口恭一社長はまだまだ若いんですから、がんばってさらに大きく発展させてください。今日はどうもありがとうございました。

<お問い合わせ先>
株式会社トータルサービス
03・3363・1155(代)

外装保全システム=スパークル・ウォッシュでビル外装のメンテナンス

撮影協力/キャピトル東急ホテル

TOTAL SERVICE