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“捨てない”“壊さない”“取り替えない”でリペア・リフォームFCを全国展開
常に新規事業を考案し続け20年先に残れる企業を目指す

(株)トータルサービス

リペア・リフォーム関連17業種を展開しFCは520店余りに

1980年の創業以来、24年連続して経常黒字を出し続けている企業がある。東京・西新宿に本社を置く、(株)トータルサービスだ。
同社は「捨てない」「壊さない」「取り替えない」をモットーに、ビルや住宅、車関連のリペア、リフォーム関連のFC事業を次々と展開、現在、全国で17業種、520店余りの加盟店をもつ。
その事業展開は極めてユニークだ。例えば89年にアメリカの外壁クリーニング業界最大手、スパークルインターナショナル社とライセンス契約を結んで始めた「スパークル・ウォッシュ」は、それまで日本ではほとんど認識されなかった“ビルの外壁の洗浄”というニーズを掘り起こした。
また、92年にアメリカから持ち込んだ「シーリング・マジック」は、ビルの室内で使われている吸音材天井を、ペンキ塗装をせずに吸音効果が持続し、臭いがなく10回以上塗ることが可能なので、交換が50〜60年必要ないシステムとしてビル業界を席巻した。いずれもローコストでビルの内外装を再生させ、資産価値を守るという、環境時代にふさわしい、まさに時代を先取りした事業だ。
とはいえ、事業展開当初は、はかばかしくはなかった。
「最初はなかなか受け入れられなかった。というのは、当時はまだバブル時代。汚れれば壊して新しくつくればいいというぐらいの発想しかなかったですから。シーリング・マジックなんか、最初5年間は売れなかったんですよ。必死で啓蒙しながら営業しました」と創業者で代表取締役社長の山口恭一氏は当時を振り返る。

環境、省エネが注目され事業が急拡大
新事業を次々に立ち上げる

しかしその後、シックハウス症候群などが社会的にクローズアップされると、加盟店は一気に増え出す。今やシーリング・マジックは毎年全国150万平方メートルの天井に使用され、同社の売り上げの半分を占めるまでに成長している。
さらに、96年には車の内装や外装のリペア事業「トータルリペア」にも乗り出す。これは車のへこみや傷、シートのほころびなどの修復を、従来の数分の1の費用で可能とするもの。
2002年には、住宅向け省エネビジネスに着手。屋根や外壁に“塗るだけ”で熱を遮断し、室温を10度程度下げることができる「省エネシールド」や、窓に塗るだけで紫外線と赤外線をダブルカットする透明断熱ガラスコーティング剤「寒暖シールド」など、省エネ効果の高い商材を開拓しては、新たな事業の柱としている。この他、浴室を特殊なコーティングやシートで“リフィニッシュ”して蘇らせる「バスタブドクター」事業、高級家具を高度な技術で修復する「インテリアリペア」事業などさまざまな事業を展開している。
矢継ぎ早ともいえる同社の新規事業の連発に、いったい何がビジネスの核になっているのか感じ取れない読者もいるかもしれない。
その漠然とした疑問を見透かすように社長の山口恭一氏はこう語る。
「つまり経営者の仕事は新規事業をつくっていくことなんです。あのソニーだって、ずっとテープレコーダーをつくっていたら、今はないでしょう。トヨタだって新しい車、技術を開発している。同じです。もし新しいことを何もせずにいたら、その先は衰退していくしかないんです。新しいネタを見つけて事業化してきたから、今があるんです。もちろんリスクはある。私もうまくいかなかった事業がいくつもあります。でもリスクを取らないと成功はしない。特に地方の方がライバルに勝っていくには、違う収益構造をもたないと。もちろんリスクの取れる範囲でです。私の場合は20年先に残っているか。それから大手が入ってこないかというところをポイントにしています」(山口恭一氏。以下同)。
その言葉は20余年たった今、はっきりと証明されている。

平均ロイヤリティは5万円
実業のコンサルとしてFCを育成

同社の原点は山口恭一氏と学生アルバイト2人で始めた店舗のクリーニングというビジネス。掃除は店の従業員がするというのが常識だった時代に、「掃除はプロがするもの」という流れをつくり出したのだ。事業はすぐ軌道に乗ったが、山口恭一氏は生き残っていくためにフランチャイズシステムを学び、アメリカや国内の新しいビジネスネタをリサーチしては事業化してく業態に変えていった。
「フランチャイズは非常にいい。新しい市場を生むし、日本経済に活力を与えていると思うんです。異業種の方の参入が多いですから。当社の場合、無店舗が中心だから安い。だいたい平均的ロイヤリティが月5万円ぐらいで、負担も少ないと思います。私はフランチャイズビジネスは実業のコンサルタントだと思ってます。新しいビジネスをもってきて、商売も営業方法もサービスも教え、勉強会も催すし、いろんな情報も渡す。いまどき大手コンサルタントで月5万円で何ができますか? 下手な税理士に5万円払うよりよっぽどいい。しかも当社は解約した翌々月から一切ロイヤリティをいただきません。いい事業、いい情報を出せなかったら、こちらがすぐ切られてしまう。そのくらいの厳しさで臨んでいるから、ここまで来れたという自負もあります」
加盟店に対し営業やサービス情報だけでなく、広報のノウハウも伝授している。まさに痒いところに手が届く、実業のコンサルタントなのだ。
「今後も基本は変わりません。フランチャイズのネタを国内外を問わず探し、これはと思うものを事業化し、それぞれの事業の柱を太くしていきます。JV(ジョイントベンチャー)がいいのかOEMがいいのか、その形態も市場とにらみながら判断していきます」
今の時代の経営の本質を突いた言葉ではなかろうか。

(株)トータルサービス
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