企業家のための経営情報誌 NIKKEI VENTURE 日経ベンチャー 1998.9

FCへの加盟を検討中。
本部を選ぶ際のポイントは(小売店社長)

新規事業として、フランチャイズチェーン(FC)への加盟を考えている。しかし、最近、FC本部と加盟店とのトラブルが目立つ。加盟に当たって、本部をどのような視点で見定めたらいいのかを教えて欲しい。

回答者
トータルサービス社長
山口恭一

当社は、FC本部と加盟店という2つの顔を持っています。例えば、ビルの外壁を洗浄する事業に関しては、米国の企業から日本市場を任されている加盟店の立場にあり、日本市場ではFC本部の役割を果たしています。そこで、本部と加盟店双方の立場から見たFC本部を選ぶ際のチェックポイントを挙げておきます。
モノ、支援体制、投資に対する回収といった具合に、3つに大きく分けることができます。
1つ目は、お客に喜ばれる続ける商品・サービスがあるか。また、市場は大きく、具体的な数値として予測することができているかという点です。
2つ目は、FCを育成する部分が独立し、営業事例やクレームなどが積極的に公開され、双方の情報交流ができているかということです。当然、途中解約の際の条件が明確にされていて、トラブルを避ける体制になっているかということも大切です。
最後に、契約前に本部のトップと経営理念や事業の方向性に関して充分に話し合うことができた後、4〜5年間を想定した最大投資額が、4〜5年間で予測できる最少回収額(予測売り上げ・利益)と同等か、もしくはこれを上回る程度になるのかを確認することです。
以上の項目において、100点満点になる本部は、そのFCが成熟期に入っている証拠です。確かにリスクは小さいですが、投資額は多くなり、儲けが少なくなる可能性は高くなります。
そうしたFCに加盟するよりも、60〜70点ですが、100点近くまでになる可能性が高い本部の初期の段階で加盟することをお勧めします。なぜなら、比較的投資額が少なくて済みますし、商圏の設定など、加盟条件が優遇される場合が少なくないからです。初期の段階で加盟した企業いかんでFCビジネスの成否が決まるわけですから、本部も真剣そのものです。
しかし、リスクが高いことを忘れてはいけません。それを避けるために、できれば複数のFC本部に加盟します。複数の本部に加盟するといっても投資額が少ないので、成熟期の本部だけに加盟するのと、そう投資額は変わらないでしょう。
(談)