経営者会報 2005年6月号

私を支えた言葉
何をやるかより誰とやるかが大事

トータルサービス(株)社長
山口 恭一(49歳)
やまぐち きょういち氏

1955年生まれ。25歳で独立。80年、山口商会を創業。82年現会社に改組。アメリカからビュービジネス(ハウスクリーニングやリフォーム技術)を次々に導入し、全国でFC事業およびFC化事業を展開。現在、ビル・住宅・車の3分野18事業で600企業が加盟。年商14億円(グループ計60億円)、従業員60名(同1000名)。本社・東京都新宿区。

会社を立ち上げて今年で25年になる。振り返れば、人生の節目節目で“いい出会い”があった。飛び込み営業を始めたとき、25歳で独立を考えたとき、仕入先の倒産を乗り越えフランチャイズ化を実現したとき、技術を求めて一人渡米したとき……私にはいつも相談できるよき先輩経営者や、信頼できるパートナーとの出会いがあった。
どんなときも人とのつながりがものをいうことを経験してきた私は“何をやるかより誰とやるか”を常日頃から考えるようになった。何を食べるかでなく誰と食べるか、といったほうがわかりやすいかもしれないが、私にとって“誰と”というのはとても大事なことなのである。
たとえば、ある仕事を依頼しても、ワクワクして取り組むAと、これはできないと後込みするBがいる。どちらと仕事をしたいだろうか。私ならやる気を選ぶ。本気でやりたい人と組む。何に価値観を置くかは人それぞれだが、“誰と”というのは、仕事でも人生でも、あらゆる場面で絡んでくるものだろう。
だから社員はもちろん、取引先も、まず人ありき。組織や肩書きではなく、その人自身をみる。相手の思いやビジョンに耳を傾ける。もし信頼をおけると思えなければ、いくら商品や技術がよくても、話し合いのテーブルにはつかない。誰とやるかで、仕事の質は変わり、人生の楽しさも違ってくるからだ。
とくに当社は「捨てない」「壊さない」「取り替えない」を信条に、リフォームやクリーニングビジネスを展開していることもあり、それを貫くには、やはりこの考えを理解し、志をもって取り組んでくれる相手とでなければ仕事はできない。やはり“誰とやるか”なのである。
当社の経営理念に「人づくり」を掲げているのも、いいシステムやサービスを提供するには、まず社内にいいパートナーを育てなくてはならないという考えからだ。本気で、社会のためになるこのビジネスを発展させる気概をもったリーダーを少なくとも20人は育てたい。いつかそれぞれが経営者となってくれるのが私の夢でもある。