失敗しないためのフランチャイズ本部の選び方

失敗しないためのフランチャイズ本部の選び方

星の数ほどあるフランチャイズ本部から、相性のいい本部を見つけ出すことは結婚相手を選ぶのと同じぐらい難しい。
失敗しないためには具体的にどのような点に留意して本部を選べばよいのか、識者に聞いてみた!

机上の空論を並べたハウツー本に騙されるな!

何の経験もノウハウもない個人が独立開業するより、フランチャイズチェーンに加盟して、本部が過去に蓄積したノウハウを活用するほうがリスクが少ないはず。そのぶん本部選びには時間をかけたいところだが、その際は何に重点を置けばよいのだろうか?
「フランチャイズ本部の選び方をテーマにした書籍は数多く出版されていますが、机上の空論が多い。本当に重要なポイントは2つあります」
こう語るのは現在までに10種類以上のフランチャイズ事業をアメリカから導入、経営コンサルティングの講演も多いトータルサービスの代表・山口恭一氏だ。
「フランチャイズは店舗型と無店舗型の2タイプに大別できます。依頼心が強い人なら本部のマニュアルが確立されている店舗型、比較的自由度が高いなかで自分を試したい人は無店舗型がいいでしょう」(山口恭一氏)
ブランド力があり、開店直後でもすぐ客が来るコンビニなどの店舗型は確かに魅力だが、本部主導型で自由裁量が利かないし、加盟金にカネがかかる。無店舗型は自由裁量の幅が大きくなるが、発想力と営業力がないと厳しいローリスク・ハイリターンタイプと言えそうだ。自分の性格と相性をとことん考えて、どちらのタイプがいいか判断しよう。

失敗例も開示している本部はポイント高し!

「さらに重要なのは成功事例はもちろん、失敗事例も開示している本部。成功例なら本部のほうから『成功している店舗を2、3軒見に行ってみては?』と勧めてくれるものですが、そういう店は立地がよかったり資金計画が容易に立てられるお金持ちだったりと特別なケースが多いので、参考にならない場合が多いんです。その時間があるなら、成功店のデータを30店と失敗店のデータを10店見せてもらうほうがいい。成功店の共通項からは成功の鍵を引き出せますし、失敗例を開示するということは、本部が失敗を分析し理解していると考えられますから」(同)
失敗店のデータを出し渋るフランチャイザーは自社の至らなさを隠している可能性が高い。自分の人生を預ける本部選びは、嘘のない関係を築ける優良本部を見抜く目が必要。
「また、店舗型ならその本部の財務状況がいいか悪いかが重要ポイントになってきますが、無店舗型の場合は仕入れルートを開示してくれるかどうかも重要ですね。そうすれば万が一、本部が倒産したとしても、自分でビジネスを続けることはできるわけですから」(同)
情報開示はもちろん、開業後のトレーニングや勉強会が充実しているかどうかも重要項目だと山口恭一氏。言い換えればこれは加盟店が開業したあと、本部がどの程度人とカネと時間をかけているかの表れ。逆に言えば、開業後にカネをかけない本部は長くビジネスを続けていくことを考えていない本部とも言えるのだ。

フランチャイズ本部選びのステップチャート

  1. 業態を決める
    前職の経験や自己資金、店舗型か無店舗型にするかなどを考慮せよ!
  2. 情報を収集する
    ネットでIR情報などを数多く引き出し、納得いくまで情報収集!
  3. 加盟案内書を取り寄せる
    条件や相性がよさそうな本部数社から資料を取り寄せ比較検討せよ!
  4. 本部担当者と面談
    業績のよい店舗のデータを見せてもらい、疑問点はとことん質問せよ!
  5. データを検討
    成功店、失敗店のデータを基に、集客と成功の鍵を読み解こう!
  6. 加盟を決定する
    家族の了解、契約条件などすべてに納得できたなら加盟の手続きを!

今さら聞けないFC用語事典

  • フランチャイズ
    ある事業者がほかの事業者との間に契約を結び、自己の商標や経営のノウハウを使って事業を行う権利を与えて、その見返りとして一定の対価を受け取る継続的な関係のこと
  • フランチャイザー
    フランチャイズシステムにおける本部主宰者。本部ともいう
  • フランチャイジー
    フランチャイズシステムにおける事業者。加盟店ともいう
  • 日本フランチャイズチェーン協会
    日本で唯一のフランチャイズビジネスにおける公益法人のこと
  • 店舗型
    本部が営業に関して100%近く主導権を握る。本部主導型
  • 無店舗型
    本部が営業に関して3割程度しか口を出さない自由裁量型が多い
  • ビジネスパッケージ
    ブランド、商品、エリア、システム、事例の5つを合わせたものがフランチャイズのビジネスパッケージ。商品のみを統一している代理店とはここが違う

山口恭一(やまぐちきょういち)

トータルサービス代表取締役。車、住宅、ビルサービスなど17種の事業を手掛け、フランチャイズの全国展開によって業容を拡大。創業以来23期連続黒字。フランチャイズに関する実践型の連載や講演会多数