独立開業 山口恭一の実践!起業成功のコツ

第2回 FC本部の選び方

いうのも言えると思います。
このように考えると、やはり細かいチェックも必要ですが「実践的なポイント」を知っておくことが大切になってきます。

10〜20年後に、加盟を考えているフランチャイズの商売(業種・業態)が有り続けるか?

これは、FC本部云々というより、商売が成立し続けていくかどうかということです。まずはそこから自分自身で予測しなければいけません。いくらいい本部でも流行り廃りがあれば、そのビジネス自身に引きずられ、失敗してしまうのです。
その予測は「この商売はお客様に喜ばれ続けることができる『商品・サービス』であるかどうか」という視点で見ることです。10〜20年はよほどのことがない限り、この商売はあるだろうとイメージできることです。その他に付け加えるなら、市場の大きさや、それが具体的な数値として予測することができるかということも大切です。
2〜3年で流行り廃りがあり、終わってしまうような商売であればFCに加盟したはいいけれど、結局ビジネスは続かず、何の為にその加盟したのかということになります。
本部を選ぶ前に、その商売を見る目を持つことです。

加盟店を育成する部門が独立しているか?

次に、FC加盟店を育成する部門がFC加盟店を開発する部門から独立し、営業事例やクレームなどが積極的に公開され、加盟店間や本部と加盟店の双方の情報交流ができているかということです。これができている本部は、育成に人とお金と時間をかけている証拠です。またそれは、加盟店が育つことで、本部として利益が出るという仕組みになっているということです。
仮に、開発する担当と育成する担当が一緒だったとすると、一方で開発する(増やしていく)ことに偏ってしまい、満足なサポートができなくなります。これは加盟後のリスクが大きいことを意味します。これでリターンが大きければいいのですが、なかなかそのような本部は少ないようです。
一方、まだまだFC加盟店を増やさなくてはならない本部で、育成することに偏ってしまうと、加盟店が増えなくなり力のあるFC本部を作っていくことができずに、結局全体的なFCグループとしての成長も止まり加盟店にしわ寄せがくることになります。
弊社でも加盟を考える時には「加盟店開発」と「加盟店サポート」の部門がそれぞれ独立しているかどうかは、本部を選ぶ際に重要なポイントとの一つとして考えています。

開業後のトレーニング、勉強会、情報開示などが充実しているか?

次に加盟店が開業後に、トレーニングや勉強会や情報開示などが充実しているかということです。これは言い方を変えると、加盟店が開業後に、本部がどのくらい人・お金・時間を集中しているかということになります。やはり、加盟店開業後に育成内容を充実させるということは、加盟店にとってみればリスクが減るということになり、本部を選ぶ際に重要なポイントになります。
この開業後にコストをかけるということは、本部の考え方も見抜くポイントにもなります。開業後にコストをかける本部は、初期投資で利益を出そうとしているのではなく「開業後に加盟店に儲けてもらってから、本部も儲けさせていただく」という価値観を持っていると考えていいでしょう。もちろん、本部も初期投資で利益を上げなくてはいけない部分もありますが、開業後にコストをかけることをまったく考えていない本部は長く続けていくことを考えていない本部だとも言えます。

成功事例はもちろん、失敗事例も開示しているか?

成功事例の開示に関しては、加盟を考えている方が何も言わなくても勝手に本部が教えてくれる例が多いと思います。しかし、実は成功した事例は、成功したなりの特別の状況があったということが多いのです。例えば、店舗型などでは特別な「立地」であったり、土地を持っていたということであったり、資金計画が容易に立てられるお金持ちだったり。そのような特別な条件に関しては「真似」をしようとしても、しきれません。
一方、多くの本部では失敗事例をなかなか開示しようとしません。これは、加盟を考えている方にとって加盟をしようとする意欲をそぐことになると隠してしまうのです。中には、本部の至らなさを隠すために全く失敗事例を開示しないところもあります。
本部が失敗事例を開示できるということは、その失敗事例を本部が分析し原因を理解しているということにもなります。
また、実は参考にしやすいのは失敗事例の方なのです。失敗した反対のことをすれば失敗を予め予防でき、特別な原因で成功した加盟店の事例よりも何倍もためになるともいえるのです。
もちろん、失敗事例のみではなく成功事例も参考になりモチベーションも向上しますが、失敗事例を隠さず開示していることも本部を見分けるポイントといえます。

FC本部のトップと加盟店、社員が風通しがいいか?

どこの企業でもそうですが、風通しの悪い企業はいい企業とは言えないと思います。ましてや、これから一緒にやっていこうとするFC本部が風通しが悪いと今後何かあったときに不安をぬぐいきれません。
例えば、加盟店候補者が会おうと思えば、そのFC本部のトップに会える、もしくは電話で話ができる、などの本部がよいでしょう。もし会えなくても、その本部の社員から「数字的」話だけではなく、経営ビジョンが伝わってくるような本部が良いといえます。
そこのトップが明確なビジョンを持っていれば、将来的な展望も加盟店は見ることができるでしょうし、そのビジョンが社員から伝わってくるということは、社員教育がしっかりとしていて、且つその社員も情熱を持って仕事をしているということになります。
今後、長い付き合いをしていくのであれば、そういう会社と付き合っていく方がリスクは少ないのは当然のことでしょう。

FC本部としてどのくらい続いているのか?

これも考えれば当然のことですが、FC本部というのは、その運営がしっかりしていないと直ぐに加盟店とが増加しなくなり、そのまま共倒れになったり、加盟店と協力していくパートナーシップを持っていないと加盟店が離反して立ち行かなくなる業態です。過去に話題になったFC本部で既になくなってしまっているFCも少なく有りません。
ですので、長い期間続いているFC本部は、それらの問題をクリアして続いていると思われますので、なんだかんだ言って、これもFC本部選択の基準になるのではないでしょうか。

そのビジネスが自分が好きかどうか?

最後にそのビジネスが合うかどうかがポイントになります。自分がそのビジネスを好きでやっていけるかどうか? ではないでしょうか。好きだけでも成功はできませんが、FC本部で選んでもそのFC本部がいいから絶対成功するとは言えないのです。
要するに、自分が明確な目標を持ち、本気でそのビジネスに取り組んでいけるかどうか? 自分で自立して経営者としてやっていけるかどうかということです。

FC加盟は、成功を買うのではない。開業するまでのリスク軽減を買うもの=成功のチャンスを買うもの

FC加盟希望の方々とお話をしていると、中にはFC加盟に関して誤解されている方もいらっしゃいます。FCに加盟することで、既に成功したと思い込んでいる方がいるということです。現実に、どんなに優良なFCに加盟してもすべての方が成功しているかというと成功していません。
「お金を払って加盟したんだから」という方もいますが、お金を払って何を買ったかをよく理解しなければなりません。お金を払ってFCに加盟したということは「成功を買ったのではなく、開業するまで安く、早く立ち上げることを買った」のです。別の言い方をすれば「自分でいちから始めるよりも安く、早く開業できるパッケージとノウハウ」を買ったのです。
ですから逆の言い方をすれば、自分で独自に立ち上げることを試算してみて2倍くらいのコストで立ち上げることができるので有れば、加盟を考えた方がいいでしょう。

開業後の注意点は?

開業するにあたってFC本部選びと同等以上の注意点は「資金計画」を綿密に立てているかということです。資金計画の立て方のポイントは、「目標は高く、最高の売上を狙った目標にすること」。しかし「資金計画は最悪・最低の状態を想定して立てること、そして帳簿上の数値で立てるのではなく現金で立てること」です。これに関してはまた別途お話します。
それともうひとつ考えておくことが、FC事業がうまくいったと仮定して「その後の自分はどうしたいのか?のビジョン」を持っておくことです。言い方を変えれば、ビジネス上のビジョンを持つということです。同じ業態で店舗を増やしていくのか、それとも違う業種・業態で新規事業をやっていくのか、100名の会社を目指すのか、10名の会社を目指すのか。
やはりこのビジネス上のビジョンが明確であればあるほど、成功は近くなると思います。ビジネスで成功された方は、創業当時からこのビジョンが明確であった方が多いですね。