これだけやっているんだから
売れないことはないだろうと思い始めたのです


例え契約まではできなくても徐々に話を聞いて
くださる方が増えそんな成果が見えたからこそ
訓練のはげみにもなりました


この会社は営業マンが二〇〇人くらい いましたが
売れている営業マンと売れていない営業マンの差がとても激しいのです


売れている人は収入が高くよい所に住み 上司からもほめられますし
客が客を呼んで契約も楽に取れていたようでした


反対に 売れていない
営業マンは 毎日クタクタになるまで歩き
それでも売れなくて上司からは馬鹿呼ばわりされ
プレッシャーと安月給でヒーヒー言っていました

そんな厳しい世界でしたのでなんとか売れる営業マンに
なろうと 来る日も来る日も売れている人の所に行って
どうすれば売れるようになるか
アドバイスをもらい——


そして教えられたことを
ワクワクして聞いては訓練を素直に繰り返しました


いつか必ず契約が取れる!


…そう信じていたのです

とにかく経験者や上手な人の言うことを聞く。そして
真似する。また聞く、真似する、また聞く、そして
工夫する。それの繰り返しが人生を変える。


そんなある日——気づき
未熟なうちは上手な人よりも長く働いて、時間でカバーするしかない。


そんな私の姿を 先輩たちは好意的に捉えてくれていた
ようでした

おい山口

はい


契約取れたか?
いえ…
それがまだ

ふむ…