あの日以来 相変わらずの生活を送り

人前では調子を合わせていましたが
心は虚ろで ひとりになると
毎日のたうち回るほど悩んでいました


やっぱり 実際に職に就いている人に
聞いてみなくてはどうも
実感が湧いてこないなぁ…


あっ!
そういえば…


ふと 高校時代
遊んでもらっていた年長者の
方々のことを思い出したのです


高校生の頃——
地元福島でよく通った喫茶店があり
そこで常連の大学生と
仲良くなったのをきっかけに


彼の紹介で 脱サラして
その喫茶店を始めたマスターと
店の常連でもあった


マスターの同級生たちと
知り合ったのです

当時三〇代半ばの社会人人生
の先輩たちでしたが私は生意気なわりに
礼儀正しく素直だったこともあって


いつしか一緒に
麻雀などに連れて行ってもらうなど
可愛がられていました


いらっしゃ…
おーっ山口君じゃないか
久しぶり!!


ご無沙汰しています


ちょっとやつれたか?
大変だな受験生は


いや〜
はい…


どうした?
何かあったんかい?


それが…自分だけでは答えが
見つからない…


とにかくワラをも
つかむ気持ちで彼らに相談しました


彼らの職業は 土建屋の創業社長
文具屋の二代目
日本茶のお店の三代目
銀行員
TV局勤務…とさまざまでした
…というわけで