ニューヨークでは一六〇〇年代に
建てられた教会の外装をスチーム洗浄する会社などを見学し
外壁の再生業者五社と住宅のリフォーム会社も訪問して第一回目の視察を終えました

アメリカに行って、仕事に対する
プライドのもち方、あらゆる価値観・
考え方に、日本とのあまりの違いを感じ
カルチャーショックを受ける。

仕事の大小ではなく、個人個人が
仕事に対するプライドをもつべきである。

それにしても…
一〇年後 二〇年後に日本での需要が見込めそうな
事業がたくさんあったなぁ…
新規事業として日本にもってこられたら
必ず成功するに違いない!
他にない事業だからこそやってみたい!

でも どうすればいいだろう…
見てきた企業はいずれも


フランチャイズ本部…
てことは…


そうか!
ライセンス契約を結べばいいんだ!


最初の視察で目星をつけた企業を
再見学するため
その後も何回か渡米した私は——
いろいろ比較して やはり
スパークル・インターナショナル社が
たくさんの特許をもっている点


二〇余年の実績がある点など
どこをとっても絶対いいと感じ
ライセンス交渉をすることに決めました


しかし…

じつはこの会社にアプローチ
していた日本企業は
私の会社だけではありませんでした


私の会社よりずっと
大きな企業がもう一社
アタックしていたのです…


銀行から借りられたのは
四〇〇〇万円…
このときの私にはそれが
一杯いっぱい…
とにかく…
熱意の限り全力でぶつかるしかない!

私は英語をしゃべれませんでしたが
トップセールスマンとして培った
交渉力には自信がありました
この外壁洗浄ビジネスは日本にはまだない
サービスです


リスクを承知で
弊社がその先駆者になりたい
私にとっては大変な投資をするので
まさに決死の覚悟でした


是非我が社とライセンス契約を
結んでください!
あなたの熱意はわかりました


ベンチャービジネスは
会社の大小ではなく
トップの熱意を大事にします


Then …


契約料は一〇〇万ドルですがご用意できますか?

はい!
一年目は広めるだけになるかもしれませんが
二年後を見てください


もしこのノルマが達成できなければ
権利金も放棄し
我が社が契約したフランチャイズは
直接御社との契約に切り替えます

しかし…
本当にそれでいいのかね?
USAでも年間一〇社ぐらいの契約なのに…
市場の狭い日本にそれができるのかね?


できます…


いえ


やります!


ふむ…

スマンがちょっと
待ってくれないか社長! やはり
大手にやらせたほうがいいのでは?


う〜む…


二年で三〇のフランチャイズなんて
ハッタリに決まってます


二〇年やっているウチですら 二年で
そんなに増やせたことがないのに…


いや…でもまあ
日本の市場を見る意味で
二年間やらせてみても
ウチにリスクはないだろ?


やれたらやれたですごいことだ


あの熱意と若さがあれば
少しはフランチャイズを
広げられるだろうし…


それに…ノルマに達しなかったら
契約金もろともフランチャイズを
没収すればいいことだ